2021年2⽉からわが国においても、COVID-19 ワクチン接種が始まります。政府はすでに希望される⽅すべてに、無償で接種を⾏う⽅針で進めています。
COVID-19 のパンデミックが昨年に始まり、およそ半年という極めて短い時間にワクチン開発が⾏われたために、まだ⼗分な有効性や安全性に関する臨床データの集積はありません。ただし、⼤規模な接種を始めたイスラエルでは、新規感染者、重症者、基本再⽣産数がともに激減しています。副反応として、アナフィラキシーを含むアレルギーの頻度は、⽶国におけるファイザー製ワクチンで 0.0011%とされていますi。治験の段階では注射部位の強い疼痛が数⽇続くことや発⾚の報告はありますが、致命的な副反応は報告されていません。
残念ながら、妊婦さんに対しては⼗分な知⾒がなく、各国で⾒解が分かれています。⽶国の ACIP(ワクチン接種に関する諮問委員会)は、妊婦を除外すべきではないとしii、イスラエルでは積極的な接種対象としています。⼀⽅で、英国やカナダでは⼗分な臨床データがないことから、妊婦中の COVID-19 ワクチン接種は推奨していません。COVID-19 mRNA ワクチンの動物の⽣殖に関する研究はまだ完了していません。また、中・⻑期的な副反応については、現時点では不明です。
⽇本産婦⼈科感染症学会および⽇本産科婦⼈科学会として、現状において以下の提⾔をします。
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i Tom Shimabukuro, MD, MPH, MBA; Narayan Nair, MD Allergic Reactions Including
Anaphylaxis After Receipt of the First Dose of Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine JAMA.
Published online January 21, 2021. doi:10.1001/jama.2021.06001回⽬接種を受けた1,893,360 ⼈中、アナフィラキシー含むアレルギーの頻度は 21 ⼈、そのうち 17⼈にはアレルギーの既往があり。
ii Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP)
https://www.cdc.gov/vaccines/hcp/acip-recs/vacc-specific/covid-19.html